エロゲ初心者の成長記録

一本もエロゲをプレイしたことがない筆者がプレイしたエロゲの記録を綴るブログ

『ヒラヒラヒヒル』の感想【番外編】

はじめに

このブログはネタバレしかしません

このブログは個人の感想です

友達から勧められたのでやっていこうと思ったゲームです。

作品紹介

ブランド:ANIPLEX.EXE

発売年:2023年

プレイ時間:18h57min

推奨攻略順:なし、自分で選択してほしい

評価

         82/100

・キャラ   24/30

どのキャラも人間的魅力に溢れていて人物描写が素晴らしいです。ただ人間的魅力に溢れすぎているが故に2次元の美少女達に好感という意味では少し劣るかもしれません。

千種 正光

cv.河本啓佑

風爛症治療に強い情熱を持つ若き医師。千種√では2つENDがあるがどちらでも千種自身の本質というか善性のようなものが変わっていない気がする。ただBADEND(BADだとは思わないが便宜的に)だと自身も風爛症なのにあの環境で働くのは多少自棄の傾向を感じる。母を叔父の家から連れ帰るか、任せるかによって分岐するが叔父の家から連れ帰ることでTRUEENDに行くのが印象的。

天間 武雄

cv.水中雅章

元々は風爛症と関係ない学生だったが下宿先の一人娘が罹患したことで風爛症という病に直面する。いわば一般人視点。千種√とは違いENDが3つあり、2つがBADENDになっている。そのうちの一つは武雄が自殺するというものであまりに救いようがなくかなり衝撃を受けた。

・シナリオ   26/30

かなりメッセージ性の強い作品。個人的には千種正光√では叔父を信用せず(信用せずという言い方は不適当か?)母を東京に連れていく。つまり他者を信用しないことでTRUEENDへとたどり着く。それに反して天間武雄√では一貫して他者への理解を諦めないことでTRUEENDへとたどり着く。どちらが正しいという訳でもなくただ盲目的に他者への理解を諦めてはいけない、と高説するゲームとは一線を画すように感じられた。

あと伏線やどんでん返しのようなものがほとんどなく、誰しも唐突に病は襲い掛かるし、未来は一寸先は闇であり襲い掛かる現実に抗おうとする人が描かれていたように感じた。

逆なメッセージ性を強調しすぎてエンタメ性があまり感じられなかった。

・CG   14/15

かなり特徴的な絵柄で絵画のようなイメージを受けました。歴史を感じる絵というか。架空の大正時代に対する没入感を瀬戸口さんのテキストと合わせて高めてくれました。

・音楽   12/15

OPがないことで逆にスタートから一度も途切れることなく地続きで物語が展開されていくためこれもまた没入感を高めている。

BGMも和風テイストでかなり好み。和風なBGMが好きなのかもしれない。

ED(主題歌)の『星たちの歌』は最初にBADENDで聞いたこともあり多少印象が削がれている。TRUEの時の雪が降る演出も嫌いじゃない。

・特色   10/10

やはりこの『風爛症がある大正時代』を鮮やかに描いていたことがすごい。実際にあったのではないかと錯覚させるほどの圧倒的世界観だった。

・不満点   -4/-10

もう少し千種正光と天間武雄の物語が交錯する様を見たかった。

総評

瀬戸口さんの作品を初めてやったのですがなるほど確かにこれは根強いファンがいるのも納得だと。一作しかやったことのない身ですが瀬戸口さんの作品は瀬戸口さんにしか書けないと感じさせられました。没入感が段違いというか架空のものなのに本当にあったかのような細やかな描写はそう見ることの出来ないレベルのものだと思います。