お帰りなさいませ。“ご主人様”-。
はじめに
まるねこ三部作と言われる作品群の1作目、メイド喫茶ブームに火を付けたことでも知られる『ショコラ』をやっていこうと思います!
作品紹介
ブランド:戯画
発売年:2004年(2021年に再販、その際に少し修正が入った?)
CG:112枚
シーン数:20(+1)(香奈子afterのシーンがない)
音楽:Vo2曲BGM18曲
プレイ時間:14h50min
推奨攻略順:自由→翠→香奈子BAD→チロル/美里→香奈子TRUE
評価
79/100
・キャラ 23/30
結城 大介
母を亡くしたことで学園時代は元ヤンだった過去を持つ20歳童貞主人公。現在は更正して真面目に生きている。
真名井 美里
cv.桜井美鈴
160cm/87(D)/53/85
大介がAV撮影の危機から助けた箱入り家出お嬢様。家も仕事もないのでキュリオで働くことになる。
結城 すず
cv.鷹月さくら
152cm/78(B)/51/75
親の再婚により大介の妹になった少女。旧姓は三宮。母子家庭かつ母親が仕事であまり帰ってこれない日々を送っていたこともあり家族愛に飢えている。
大村 翠
cv.松下雅
162cm/83(C)/53/82
大介の元同級生にしてキュリオのフロアチーフ。4年前からキュリオで働いている。ごめんずっとダリア先生が頭にチラつく(デュエルセイヴァージャスティス)。
桜井 真子
cv.鳩野比奈
157cm/97(F)/56/84
キュリオのスタッフ。ほんわかしてる。包容力があるおっとりお姉さんタイプ。書くことがない。
橘 さやか
cv.かわしまりの
158cm/95(E)/59/86
キュリオのパティシエ。フランスに行く夢を持っている。孤児で施設で育った過去を持つ。
秋島 香奈子
cv.乃田あす実
165cm/89(D)/54/85
この作品の真ヒロインとも呼べる存在。翠と同様大介の元同級生。今でこそ大介の家に入り浸っているが過去に大介と何かあったようで...。
チロル
cv.三重野亜美
17cm
明るく元気であっけらかん、べたべたしまくって好きな人に好きと言える、好きな人の好意を信じて疑わない妖精。
・シナリオ 25/30
色んな人の感想見てて知ったんですが、この作品は元々のライターが飛んだこともあり、絵が完成してから丸戸さんがシナリオを書いた、という世にも珍しい作品です。しかも納期?書く期間?が短かかったとか。
それでよくもまあここまでの作品を書き上げたなあと率直に思いました。個別√の力の入れ具合に格差があったり問題点もあるけれど低いレベルで安定してるより格差あっても面白い√がある方がいいのは当然なんでね。力が入ってる香奈子√、翠√、あと個人的に美里√はよかった。
・CG/音楽 20/30
DSJの時も書いたんですけどさすがに古い作品のCGはね、評価が低くならざるを得ない。ただこれまたDSJと同様音楽がいいんですねこのゲームは。喫茶店が舞台ということで喫茶店にかかっているBGMなどもあり舞台を活かしてるな~とか思ってました。個人的にはタイトル画面でも流れていてピアノが綺麗な『小鳥のダンス』や落ち着いた雰囲気の『エトワール』などが好みです。
・エロ 5/10
これまた年代的にしょうがないですがあまり、ね?ですが翠√の吹っ切れ翠や香奈子√の最後のシーンはすごくいい。特に香奈子の最後はシーンそのものというよりシーンまでの運び方が丁寧でやっとかあ...って感無量でした。
・特色 9/10
喫茶店の仕組みはめんどくさいと全く思わなかったというと嘘になりますが(だって攻略難しかったし普通にBADなりまくるし)(攻略サイト見ちゃった)結構楽しかったっちゃ楽しかった。
あとこの作品は香奈子√が1度BADENDを見て、さらにそのBADENDで解放される√を攻略しないとTRUEENDに行けないというかなり特徴的な構成をしています。これだけ聞くとえ?めんどくさってなると思うんですけどやったらわかる、これはいい!素晴らしい!語彙力がない!
・不満点 -1/-10
喫茶店の仕組みや一部√が気になりましたが前述したようにあんまり気になりませんでした。(というか正直この一部√のヒロインがあんまり好きでもなかったからいいかなって)
共通√
毎日仕事をこなしつつ、キャラのイベントが出現したらそれを見ていく、という構成。普通のノベルゲーの進め方とは違って新鮮だった。ちょっと面倒くさいなぁと思った時もあったけれど個人的にはアリです。だってこの面倒くささが後々効いてくるからね。
個別√
すず√
実妹に良くありがち(らしい)な禁断の関係を描いた√。といっても結城兄妹は義理なのでちょっと毛色が違って、『兄妹になったばかりで、赤の他人から兄妹を目指して、兄妹にならなきゃいけない』みたいなものがあったんじゃないかなと。だからこそ義理だけど禁断の関係、なってはいけない関係だったのかなと。まあいざ踏み出してみたら義理だし特になんの問題もなかったといえばなかったんですが。普通に認められてるし。
真子√
大介が真に店長になる√。一人前になるまで待っていたというオチは個人的に好きじゃないです。最初にそう言っとけば多分大介もやる気出したんじゃないか?って思っちゃった。結局空回り関連は何も触れられず終わったし。
さやか√
有名パティシエコンテストで準優勝したことでフランスの料理学校から留学を進められるさやか、行って欲しくない大介の√。ごめんねさやかちゃん、俺メガネっ娘タイプじゃないんだ。
話としては可もなく不可もなく、ヒロインがメガネっ娘&控えめなので好みじゃない。まあなんというか、ごめんねさやかちゃん。
翠√
大介、香奈子、翠の3人の関係の一端が垣間見える√。正直読解力ゼロえもんの僕には完璧に理解出来たかと言われると怪しいのですが、緑の一番はいつまでも大介で、緑は大嘘つきで、自分の気持ちにすら嘘をついていた。ということなんでしょうか?違ったら教えてほしいです🥲
個人的に翠よりも香奈子に別れを告げるシーンの印象が強い√でもあります。『声を殺し...感情を殺さず...涙が果てるまで...』この表現いいですよねえ...。
チロル√
香奈子BAD後に攻略可能になる√。キャラ一覧を見た時、一番の個人的な山場になる√だと思いました。というのも現実設定の世界に理由がないファンタジーが出てくる、というのが俺はすごく嫌いだからです。その点では正直ギリギリセーフとギリギリアウトの境界くらいの√でしたがこの√は実質香奈子√の派生みたいなとこあるのでまあいいでしょう。
美里√
2021年版だとTRUEが香奈子BAD後にしか見えないらしい√。それを知らなくて3回くらいやってもBADにしか行かなくて困ったりしました。
家出していた少女が親に見つかり連れ戻される、それを取り返しに行く。シナリオ自体は良く言えば王道、悪く言えば使い古されたものですが説得時のセリフがよかった。3回くらいやったせいでショコラで美里をめちゃくちゃ働かせた甲斐があった。そうだよね社会人1年目は初任給で親へのプレゼント買うんだよね。普通にうるっと来た。頑張ったんだねってなった。
香奈子√
3年以上すれ違い続けていた大介と香奈子がやっと結ばれるお話。すれ違いすぎてんよ...1度BADを見て、その上でチロル√を見て、ようやくたどり着ける。これは3年という月日を少しでも感じてほしかったんでしょうか。香奈子というはっきり言ってめんどくさいこの上ないヒロインをここまで魅力的に思うとは思ってませんでした。ほんとにめんどくさい、最後断ってきたくせに大介が降りたらタクシー使って来るし。でもこのめんどくささが良いんだろうなあって。すごいよこのヒロイン。おおよそ萌える、好かれる要素がないのに魅力的なんだもん。
総評
まずこの作品ってミドルプライスの作品だったんですね。『パルフェ』『この青空に約束を』がフルプライスだったんでフルプライスだと思ってました。ヒロインが多いこともあり個別√は大分短めな印象。起承転結が大分駆け足だったけど長さの割にはしっかりしてるように感じられた。そして力が入りまくっている香奈子√はお互いを想いすれ違い拗れた二人がなんかもう、美しいとかそういう領域ですよね。美しい話。総合すると面白かった。仙台行きの電車で拒絶された時は絶望したし帰ってきた時は本当に嬉しかった。なんか総評なのに香奈子√の話になってる。
『パルフェ』『この青空に約束を-』もそのうちやると思いますがパルフェはショコラの数年後の話らしいので少し期間を空けようかなと思っています。